猫ちゃんのお口の中のトラブルで起きやすいのは、口内炎です。
また、猫ちゃん特有の、歯が溶けてしまう病気もあります。
ご飯を食べにくそうにしている、食べ散らかしている、お口の中が赤い、口臭がするなどの症状が見られます。
お口の中のトラブルは、腎臓病や体全体の病気に関わってきますので、早めに治療してあげることが重要です。
最近は、猫ちゃんの寿命も長くなり、歯に対するトラブルも
数多くみられるようになってまいりました。
もともと人間と違い、虫歯というものは出来にくいのですが、
代わりに、歯頸部吸収病巣といわれる歯が溶けてしまう病気や
人間よりも重度の歯周病や口内炎に罹ってしまうことが多いです。
理想のケアとしては、毎日歯磨きを適切な方法で行うのが一番大切ですが、
なかなか嫌がってうまく出来ないのが現実です。
また、すでに歯周病が進行してしまって、口のケアをされること自体が痛みを伴う状況にある場合もあります。
そのため、一度獣医さんの治療を受けて口の中のダメージを確認して頂き、必要であれば歯石除去をしたり、
保存治療や抜歯をした状態で、痛くないようにしてから歯磨きをするなどの工夫をしていただきたいです。
それでは、当院の歯科治療について簡単に説明いたします。
◆ STEP1
歯のどの部分が痛いのか、ある程度は外見から判断できますが、より詳しく判断するには麻酔をかけてレントゲンを使い、
外からは見えない歯を支えている骨などを評価してどのような処置が必要かという事を見極めていきます。
◆ STEP2
レントゲンでの評価を元に、残せる歯は残せるように処置したり、
マイクロエンジンという機械で歯を分割して抜歯をしていきます。
場合によっては、歯槽骨を滑らかにするために削ります。
写真は、下顎第3前臼歯の歯頸部吸収病巣を抜歯しているところです。
◆ STEP3
歯についている歯石はスケーラーという機械や様々な道具を用いて除去していきます。
◆ STEP4
炎症を起こしている歯肉については、死んだ組織を取り除き、
新しい組織が出来るように処置をしていきます。
◆ STEP5
以上のような処置が終わったら、歯を研磨剤で磨く処置(ポリッシング)を行います。
ポリッシングを行わないと、処置後歯石が付きやすくなってしまいます。
症例紹介)) 日本猫 8歳 女の子
歯頸部吸収病巣の抜歯とスケーリング処置を行いました。
当院では、様々な歯科疾患に対応できるように、オーラルベットという特殊な機械を用いて治療しています。
レントゲン撮影は、人間と比べて撮影枚数がおおくなるため歯科用デジタルX線システムを使用しています。