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その他の病気

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    猫では、トータルケアが出来るよう猫風邪・皮膚科・歯科・口内炎・腎不全や甲状腺機能亢進症などの慢性疾患に力を入れて治療しております。

    猫ちゃんは環境の変化に敏感な子が多く、一度嫌な経験をすると治療を受け付けてくれなくなってしまう子もいます。当院では、なるべく猫ちゃんに負担をかけないよう、その子の性格を意識した診療を心がけております。
    なるべく通院を減らす・入院させない治療法をご提案出来るようにしています。

猫の耳の炎症性ポリープ



炎症性ポリープは、猫の耳で認められる最も一般的な非腫瘍性の腫瘤ですが
中耳炎と外耳炎を引き起こす傾向があります。
発症に種差や性差、年齢差はないと考えられています。




炎症性ポリープ(別名:鼻咽頭ポリープ)は、耳管あるいは鼓室から発生しますが
猫では、ほとんどの場合中耳の粘膜から発生します。

ポリープの塊が腫大して鼓室腔に充満し、さらに成長していくと鼓膜破裂を引き起こします。
鼓膜が破れてしまうと、外耳道にいる細菌や酵母菌、耳ダニなどが
中耳の鼓室胞の上皮に侵入してしまい中耳炎になってしまいます。

鼓膜を破って外耳道にまで出てきたポリープは、急に大きくなり耳道を塞ぐほどになります。
ポリープが耳道を塞ぐと、その後ろで中耳炎による滲出物が中耳内に溜まってしまいます。


症状
主な症状としては、耳垂れが出る、頭を振る、頭が傾く、などがあります。

症状が激しい場合には、眼振(眼が左右もしくは上下にふらふらと動くこと)、
前庭症状(まっすぐ歩けない、上手く歩けないなどの症状)が出ることもあります。


原因
何故ポリープが育つのかは、全く分かっていません。ウイルスと細菌が関係しているとは考えられています。
感染やポリープが周囲の組織と擦れておこる外傷などによって、ポリープを覆う上皮が障害を受け
この過程が何度も繰り返され、その結果として塊がさらに大きくなっていくと考えられています。


検査
レントゲンやCT,MRIで鼓室胞内に内容物が溜まっているか確認する必要があります。

ポリープが出来ていた期間が長い場合や、何度も繰り返していた場合、
状況によっては、炎症が内耳まで波及していることがあります。これは、MRIの撮影をする事で明らかになります。


治療
ポリープの一般的な治療方法としては、全身麻酔下で耳の内視鏡でポリープを確認したのち、鉗子で摘出を行います。
一般にポリープは肉の茎が粘膜に付着しています。再発を防ぐには茎部を摘出することが基本になります。

腫瘤を摘出した後は、炎症を抑える点耳薬を使用していきますが、
耳ダニの寄生や細菌感染、酵母菌の感染などが見られる場合は、その原因に対する治療を行う必要があります。
ポリープの症例では、摘出後に再発する可能性があります。
そのため、経過をしっかりと観察していくことが重要となります。




症例
メインクーン 女の子 8歳

耳 内視鏡画像
ポリープが耳道内を占拠しています。          ポリープ摘出後