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パグ

  • パグについて

    パグは、他の短頭種と比べても特に眼球の露出部分が大きいため、
    その構造的な問題から眼のトラブルを引き起こす子が多くいます。
    そのため、単にそれを外科的な治療で形成しようとするのではなく、
    まずは自宅でも出来るような方法を飼い主さんにご説明させて頂いております。

    また呼吸器の問題を抱えている子も多く麻酔のリスクが高い犬種とも言われていますが、
    当院ではパグの麻酔症例も数多くこなしており、パグの麻酔時に起きうる問題を想定し、対応できるようにしています。

    お困りの際は、どうぞご相談下さい。

症状でみる目の病気① ~白目・黒目の一部が茶色い、黒い~

◆症状
眼が黒くなってきた。
下の写真、イラストのように、パグちゃんの”白目の中心よりが茶色い”と思ったことはありませんか?

目が黒い②
目が黒い①

これは、パグちゃんの可愛い顔のポイントが、目に色素沈着を起こしやすくしてしまっているのです。
最初は薄く小さなものに見えますが、徐々に濃く大きくなってきてしまいます。


どうしてそうなるの?
パグちゃんの目は普通のわんちゃんよりも眼球の入っている骨のくぼみが浅いです。
そのため眼が大きく、時には少し出ているように感じる場合もあるかもしれません。

目の一番外側の角膜をコーティングする脂分は
目の上下のアイライン部分にある「マイボーム腺」と呼ばれる腺から分泌されています。
瞬きをするたびに刺激されて、マイボーム腺からの脂分の分泌が促進されます。
分泌された脂分は、瞬きで目を開くときに眼球表面全体に広げられています。
マイボーム腺

パグちゃんは目が大きい為に
瞬きをしたときに完全には閉じきらず、半分閉じた程度になっています。
そのため、マイボーム腺からの脂分の分泌が滞ってしまいます。
したがって表面張力のあまりない涙は目の表面からこぼれおち、
結果的にドライアイの状態になってしまいます。

このとき涙ヤケの症状も同時に見られることも多いです。

目の表面が乾燥するということは、それだけ刺激を受けやすい状態にあるということです。

また鼻の上のしわと目の内側がとても近いように感じられると思います。
そのため、パグちゃんの目は内眼角(目の鼻よりの部分のこと)が
鼻の上のしわに隠れていたりすることが多いのです。
まぶたが内側に巻き込まれていること(内反)もよく見られるかと思います。

乾燥して刺激の影響を受けやすいときに、まぶたが内反していたり、
鼻の上のしわの部分が近いことでその部分の毛が目にあたることになります。
そうすると目は刺激を受けてそこに色素が沈着してきます。

最初は内眼角側から始まり、だんだん角膜の方へ広がっていきます。
ひどくなると角膜全体を覆うように色素が沈着していきます。
色素が沈着した部分は光を通さなくなるので、角膜を覆う部分が大きくなればなるほど目は見えなくなります。

予防のために
①ドライアイの状態を軽減する
 涙がこぼれおちないように、脂の膜を作れるように、マイボーム腺が働くように、
 またはその代わりになるような脂を加えてあげる、という方法です。
 マイボーム腺がきちんと働くようにしてあげるためには、
 しっかりとした瞬きをさせる、まぶたの腫れをとる、などの方法があります。
 そとから脂分を加えてあげるためには、目の軟膏を使用します。

②角膜に対する刺激を軽減する目のつくりにする
 外科的に目の形を変えます。
 内眼角の一番鼻よりの部分から涙の排出口である涙点までを短くし、
 目の開いている部分を小さくすることで、眼球の露出を抑えます。
 この処置で露出を大きく抑えられる場合もありますが、
 目の周囲の作りによっては手術を行えない子もいます。


いずれの治療法も、色素沈着の進行を止めるまたは遅らせるもので、色素沈着を取り除くことは困難です。
そのため「目が茶色(黒)になってきた?」と気が付いたら、早めの受診をお勧めいたします。