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犬の病気

僧帽弁閉鎖不全症


原因
僧帽弁とは、左心室と左心房を分けている
薄い膜状の構造物です。
この弁が開いたり閉じたりすることで
血液を全身に送っています。

わんちゃんが高齢になってくると、
この弁を動かしている腱がきれてしまったり、
弁や腱が変性してしまったりすることで、
弁がピタッと閉じなくなってしまう状態になります。
それにより、血液が左心室から左心房へ逆流し
症状が現れます。
これを僧房弁閉鎖不全といいます。


好発犬種・年齢
プードル(トイ・ミニチュア)、ミニチュア・シュナウザー、チャウチャウ、フォックステリア、
コッカー・スパニエル、ボストン・テリア、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、
ポメラニアン、ダックスフント、チワワ、ペキニーズ、マルチーズ、パピヨンなどです。

上記のように、大型犬よりも小型犬に多く、小型犬のほうが重症になりやすいと言われています。
年齢分布は5~8歳で10%、9~12歳で20~25%、13歳以上で30~35%と言われています。


症状
症状はある程度病気がすすまないと、見られることは多くありません。
見られる症状としては、運動を嫌がるようになった、運動の時に座り込んだり倒れたりする、
心音異常・心雑音、呼吸音の異常、咳、おなかが膨らんでいる(腹水、肝腫大など)などがあります。


診断
一般的な身体検査では、心雑音の有無や肺音の異常の有無を確認します。
また、咳が出ていないかどうかも確認します。
レントゲンで心臓が大きくなっていないか、肺水腫が起こっていないか、胸水がたまっていないかを確認します。
また、心臓超音波検査で弁のどこに逆流があるか、逆流の程度はどれくらいか、収縮力はどれくらいあるかを確認します。
さらに、血液検査を行い、全身状態を把握します。


治療
治療は現在では内科的治療がメインになっています。
血圧を下げて心臓の負荷を下げる薬、心臓の収縮力を高める薬、強心薬などを中心に使っていきますが、
肺水腫や咳が出ている場合は、利尿薬や気管支拡張薬を使用し、呼吸状態を改善してあげる場合もあります。
将来的には外科手術で治療を行えるようになる可能性もあります。


予後
この病気は長期間に少しずつ進行していく病気です。初期には心雑音のみで、
飼い主さんから見ても症状がわからないことが多いですが、病気が進んでくると運動を嫌がったり咳をするようになったりします。
最終的には心房細動のような不整脈や肺水腫と失神などが見られるようになります。
僧房弁閉鎖不全症は完治する病気ではありません。
そのため、今出ている症状を出来るだけ抑えて、QOLを良い状態に保つことが大切になります。
お薬を飲んでいくことで、病気自体の進行のスピードを遅らせることもできます。
早期発見・早期投薬開始、定期的な心臓の状態のチェックが治療を進めていくうえでのポイントになります。

当院では特に、下記の科目に力をいれて診療をしております。