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犬の病気

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、脊椎と脊椎の間で、極端な動き屈曲やねじれに対する衝撃を吸収する部分である
椎間板の一部が背中側の脊髄神経のほうへ飛び出してしまう病気です。
この椎間板物質の飛び出す場所、衝撃、飛び出してからの時間など、これらの組み合わせで様々な症状を出します。



好発犬種・年齢
一般的に「軟骨異栄養犬種」と呼ばれる犬種に多いと言われています。
(※軟骨異栄養犬種とは若齢時に軟骨の変性を起こしやすい犬種を指します。)

軟骨異栄養犬種には、ミニチュアダックスフント、シーズー、ウェルシュコーギー、ペキニーズ、
フレンチブルドッグ、トイプードル、パグ、ビーグル、コッカースパニエル、ラサアプソなどが含まれます。

ミニチュアダックスフントは3-7歳で胸腰椎部に発症する傾向があります。


診断
まずは、症状や経過などをうかがい、身体検査、血液検査、神経学的検査を行い、
他の病気の可能性も考慮に入れた上で診断を進めていきます。
確定診断はMRIで行います。(MRIの撮影は専門の機関で行っていただきます)


治療
椎間板ヘルニアの根本的な原因は椎間板物質が脊髄を圧迫することによるものなので、
原因を取り除く、つまり手術で椎間板物質を取ってあげるのが、一番といえます。
MRIの結果やその時の状況により、
あくまでも圧迫の度合いと予後判断によっては内科療法を選択する場合があります。
手術をするにしても、内科療法をしても、安静にするのは重要なポイントです。
安静とは、人間でいう「ベッドの上で寝ている状態」ですので、基本的にケージにいれたままで、
歩き回らない、ジャンプなどをさせない、を3~4週間続けます。


①手術
手術では背骨の一部を削って、飛び出ている椎間板物質を取り除き、神経の圧迫を解除してあげます。
こうすることで椎間板物質に圧迫され続けていることから解放してあげることが出来ます。
同時に狭い脊椎内で腫れている脊髄の浮腫を軽くしてあげます。
どの病気にも共通することですが、手術をしたからと言って100%治るとは言えませんが、
ふらふらでも歩ける、おしっこが自力でできるようになる、
痛みが軽減するもしくは無くなるといった状況にしてあげることが出来ます。
症状が出てからなるべく早期に手術を行ってあげることが大切になります。

リハビリ
椎間板ヘルニアの手術後は、リハビリをすることが多いです。
術後なるべく早くから始めることが理想とされています。
(勿論リハビリ以外はケージレストでの安静です)
リハビリは軽いものから始めていき、徐々に負荷を上げていきます。
院内でのリハビリ指導に加えて、場合によっては、リハビリ専門の施設を紹介させていただいております。

②内科療法
内科療法を行う際には少なくとも2週間は厳格なケージレストをしなければなりません。
内科療法が効果がない、悪化するなどの状況がみられる場合は、速やかに外科手術に移行します。

・ステロイド薬
炎症や浮腫を抑え、痛みも抑えます。そのため、脊髄疾患で幅広く使われます。
使用には賛否両論ありますが、効果がみられ次第、徐々に減らしていくように使用することもあります。
このお薬は、その子によって副作用の出方が違うため、検査を行いながら使っていく必要があります。


体重管理
椎間板ヘルニアでは、体重が重すぎても軽すぎてもよくありません。
筋肉が適度についたちょうどいい状態を目指してください。


椎間板ヘルニアに似た病気
椎間板ヘルニアに似た、命に係わる病気として、コーギーでみられる「変性性脊髄症」や「脊髄軟化症」があります。
「変性性脊髄症」:コーギーでみられ、数ヶ月~数年かけて徐々に麻痺が前の方へ進行していき
         最終的には呼吸の筋肉も麻痺を起こしてしまします。
「脊髄軟化症」:発症してしまうと治療法はなく、3~7日で命を落としてしまう怖い病気です。

椎間板ヘルニアを疑う症状が出たときは、これらとの鑑別が必要です。


状況によって治療方針や治療内容が変わってきますので、その子に合った方針を組み立てていきましょう。

当院では特に、下記の科目に力をいれて診療をしております。