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猫では、トータルケアが出来るよう猫風邪・皮膚科・歯科・口内炎・腎不全や甲状腺機能亢進症などの慢性疾患に力を入れて治療しております。

猫ちゃんは環境の変化に敏感な子が多く、一度嫌な経験をすると治療を受け付けてくれなくなってしまう子もいます。当院では、なるべく猫ちゃんに負担をかけないよう、その子の性格を意識した診療を心がけております。
なるべく通院を減らす・入院させない治療法をご提案出来るようにしています。

耳が腫れる ~猫の耳血腫~

耳血腫とは、
耳介(じかい:頭から外に出ている部分。一般的に言われる耳の部分で、皮膚と軟骨により出来ています。)の
軟骨が何らかの理由により亀裂やおりまがることで出血し、耳が腫れてしまう病気です。
耳血腫は治療が遅れたり放置してしまうと、耳介の軟骨が変形してしまい耳の形がいびつになってしまいます。
(シワシワになったり、耳が寝てしまったりします)



症状
耳が腫れます。
触った感じはブヨブヨしていて、
場合によって熱を持ったように感じられることもあります。
耳が腫れるため重くなり
耳が垂れたり
重さや耳が垂れることを気にして、頭を振ったり耳を掻いたりします。


原因
耳血腫の原因の多くは外耳炎によるものです。
細菌や真菌(カビの一種)・ダニの感染により外耳炎が起こり、
痒みのため耳を掻いたり頭を振ったりすることで、
耳介の軟骨が折れたり亀裂が入り軟骨の間に血が溜まり血腫を作ります。
その他、喧嘩による耳介に対する外傷などが原因としてあります。
また外耳炎や物理的な障害以外に、中耳炎やポリープなどが原因となることもまれにあります。
中耳炎やポリープが原因の場合には、場合によってはMRIやCT、麻酔下での検査・処置が必要なこともあります。


治療 ①内科治療
まず耳にたまっている血を注射器を使い抜きます。
耳介の軟骨の炎症をとるためステロイド剤を耳に入れます。
耳血腫の原因となった病気、外耳炎等の治療を行います。
内科療法は他にはインターフェロンや非ステロイド系消炎剤を使用する方法があります。

②外科療法
内科療法に反応が悪かった場合、または再発を繰り返す場合に最終的に検討します。
全身麻酔下で耳にたまった血を抜き、軟骨と皮膚を縫い付けます。
縫う部分は多く10か所程度なので、手術直後は見た目が一時的に悪くなります。
原因となった病気の治療を行っていきます。

耳血腫は再発率がとても高い病気であり、耳血腫の原因となった病気をしっかりと治療する必要があります。
治療中、耳を気にして掻いたりする場合は、エリザベスカラーを付ける場合があります。
治療が遅れたり、耳血腫を放置したりすると軟骨が変形し耳の形がいびつになります。
一度変形した耳の形は元に戻ることはないため、早めの治療を行いましょう。